miの独り言

クリスタルパレスを応援する大学生の独り言です。

パレスの魔法使い “ジョニエスタ”が残した最後のメッセージ

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1月4日、クリスタルパレスFCはある選手の退団を発表した。

 

その選手はジョニー・ウィリアムズ。身長が168センチと小柄なこと、細かな足技や高いパスセンスを持ち味としているところ、そして頭髪が似ていること(?)から名手アンドレス・イニエスタになぞらえて"ジョニエスタ”の異名が付けられている。

 

そして彼はユース時代から数えると実に17年間もの間パレスに在籍していた数少ない生え抜き選手の一人でもある。在籍した17年の中では1部昇格からチャンピオンシップ降格の危機、また15-16シーズンのFA杯決勝進出などパレスにおける数々の重要な瞬間に立ち会ってきた。

 

パレスでの17年間でフットボールの酸いも甘いも知った男が、退団前最後のインタビューで胸の内を語った。

 

 

 

 

 「不思議な感覚だね。このクラブから離れてしまうことが未だに考えられない。僕はこのクラブで様々な思い出を作り、今後の人生において連絡を取り合うことになるだろう素晴らしい友人達と出会うことができた。そう、パレスは僕の人生そのものなんだ。」

 

そう言ってゆっくりと口を開くと、彼は自身とパレスの過去を懐古し始めた。

 

「今でこそプレミアリーグに相応しいクラブだと思うけれど、パレスは浮き沈みが激しいクラブだったね。パレスが2部から昇格できるかあるいは降格してしまうか、といった時期に僕はこのクラブでプレーし始めた。その時もしパレスがシェフィールドウェンズデイに敗れてしまっていたら、僕は他のチームを探していたかもしれなかったんだ。」(2010年当時、パレスはこの試合に敗れればリーグ1に降格してしまう絶体絶命の状況だった。)

 

「これはジョークじゃない、本当のことなんだよ!(笑)でも先日のウルヴス戦を見てわかる通り、パレスはその時よりも遥かに良いチームになっている。これは今までパレスで指揮を執ってきた監督たちのおかげだと感じるよ。」

 

 

  11-12シーズン開幕前。ジョニーはユース時代の突出したパフォーマンスが認められて18歳の時にトップチームに昇格。2011年8月16日のコベントリー戦に途中出場でトップチームデビューを飾ると、翌週のリーグ杯でフル出場を果たす。そして翌月のリーグ杯対ウィガン戦において、プロ初得点を挙げた。

 

「ホームでの対コベントリーのデビュー戦が僕のパレスにおけるハイライトだ。ドギー・フリードマン(当時のパレスの監督)が残りの20分間で僕を起用してくれた。僕が投入された時は1-0で負けていたけれど、その後2ゴールを奪ってチームは逆転に成功したんだよ。」

 

翌年の12-13シーズンには幾らかの負傷離脱があったものの、パレスのプレミアリーグ昇格に大きく貢献。ファンが選出するチーム最優秀若手選手賞を受賞した。

 

そしてその翌年には念願のプレミアリーグの舞台に立つことになる。

 

「昇格プレーオフの決勝に出場することは僕が子供の頃に夢見ていた舞台そのものだったんだ。19歳にして僕の人生の夢が叶った瞬間だった。その日の夜はとてもじゃないけど眠ることなんてできなかったよ!かつての昇格プレーオフ(03-04シーズン)でパレスはウエストハムを破ったけれど、その試合は観に行っていたし、ビデオテープが擦り切れるくらいそのゴールシーンを見たんだ。そんな歴史的な出来事をまさか僕達が成し遂げられるなんて!その瞬間はただの勝利以上のものだったよ。」

 

プレミアリーグでデビューを飾った日もまたキャリアの中で忘れられないものだったね。パレスのシャツを着てプレーすることは僕のキャリアを特別なものにしてくれたんだ。」

 

しかし、その後は怪我の影響などもあり思うように出場機会を得ることができず。イプスウィッチタウンやノッティンガムフォレスト、サンダーランドなど様々なクラブをレンタルで転々として回った。今シーズンはパレスに残留したものの結局リーグ戦に出場することができず、リーグ1に所属するチャールトンアスレティックに完全移籍することとなった。

 

 

 

 

最後に、ここまでパレスでの印象的な思い出を語ってくれたジョニーに改めて現在の心境を述べてもらった。

 

  

 

 「毎日両親に連れられて、バスで毎日練習場に向かう…。8歳の頃からこの生活を続けてきたから僕の生活の一部と言っても過言ではないよね。パレスが僕の夢を叶えさせてくれたんだ。そしてクラブが出場機会を与えてくれたおかげで、こうやって年を取っても自分自身で道を切り開いていくことができた。

 

パレスにおけるキャリアでは僕自身コンディションの浮き沈みが激しかったけれど、赤と青のこのシャツを纏ってこのような経験ができたこともまた僕にとって大きなことだったし、ある意味で夢でもあったんだ。ピッチに立っている時も怪我をしている時もファンはいつだって素晴らしかったね。

 

長きにわたって僕のことを支えてくれた人々には感謝してもしきれない。彼らの支えがあったからこそ、辛い時期を乗り越えることができたし、それが僕の復帰への原動力にもなった。パレスに関わる全ての人が上手くいくように祈っている。きっとセルハーストパークで試合を観るためにこの場所に戻ってくることもあるだろう。パレスは僕にとって特別な場所だった。いつかきっと僕はここに帰ってくるよ。」

 

 

ピッチ上の魔法使い”ジョニエスタ”は新天地でどのような輝きを見せてくれるのか。赤と青の魂を持った男のnew chapterは始まったばかりだ。

 

 

 

【了】

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

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